【趣旨】
21世紀は,少子高齢化,生産年齢人口の減少,グローバル化の進展をはじめ,人工知能(AI)の飛躍的な進化による絶え間のない技術革新等により,社会構造や雇用環境などが急速に変化する予測困難な社会が一層進む。
このような状況の下,全国連合小学校長会は,新学習指導要領の全面実施に合わせ,令和2年度から,新たな研究主題「自ら未来を拓き ともに生きる豊かな社会を創る 日本人の育成を目指す小学校教育の推進」を掲げ,その実現を目指して研究を開始する。
「自ら未来を拓き ともに生きる豊かな社会を創る」ためには,一人一人の子どもが高い志をもち,多様な他者と尊重し合い,互いに協働しながら,持続可能な社会の主体的な創り手となることが必要である。その中で,複雑な社会の変化に積極的に関わり,これまでの伝統や文化を更に発展させながら,質の高い豊かさを備えた個人と社会の成長に資する新たな価値を生み出すことが重要である。
小学校教育に求められることは,これまでの「不易」の教育を継承しながら,引き続き「生きる力」を育て,様々な事象と関わり多様な他者と協働する中で,多くの現代的な課題を解決しようとする態度を育むことである。また,学びの目的や内容等を判断,評価し,解決の方略を再構築しながら,未来を拓く新しい価値を生み出す資質・能力を育てることが大切である。
こうした中,各学校においては,家庭や地域社会と一層連携・協働し,地域と共にある学校づくりを推進しながら,「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を推進しつつ,真に社会に開かれた教育課程を実施することが必要である。
そのため,校長は,高い教育理念と見識を備え,先見的視野に立ち,新学習指導要領の理念のもと,求められる資質・能力を踏まえた教育目標や諸計画を実現しなければならない。また,学校の特色を生かしたカリキュラム・マネジメントを適切に実施できるようリーダーシップを発揮し,教職員人材の効果的な育成を図りながら,家庭や地域社会,関係諸機関等との連携及び協働と,学校間の連携などを一層進め,よりよい組織体制を構築し,開かれた学校経営を展開することが重要である。
以上のことから,副主題として「高い志をもって 他者と協働し 新たな価値を生み出す子どもを育てる開かれた学校経営の展開」を設定し,5領域,13分科会を設け,校長の果たすべき役割と指導性を究明する。 |